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本論文はがん研有明病院 • 石岡充彬先生が『Digestive Endoscopy』誌(2019年)に発表した「CNNを用いた動画からの胃がん検出」に関する論文です。
Detecting gastric cancer from video images using convolutional neural networks
はじめに
既報の「AIを活用した胃がん内視鏡画像診断システム」に関する論文では、静止画からの胃がん検出の有効性について報告しました。このCNNは、高い検出率(全体:92.2%、直径6mm以上:98.6%)と高い処理速度(2,296枚/47秒)を達成しました。この技術を内視鏡検査における胃がんのリアルタイム検出に応用するために、動画に適用した際のCNNの性能を評価するパイロット研究を行いました。
研究方法
早期胃がん患者62名から収集した68病変のESD動画を使用し、13,584枚の胃がん内視鏡画像で学習したCNNによる動画からの胃がん病変の検出力を検証しました。
教師データ
13,584枚の胃がん内視鏡画像
検証データ
早期胃がん患者62名から収集した68病変のESD動画
結果
● 68病変中64病変を検出し、感度は94.1%だった
● 動画における感度は、静止画における感度と差がなかった
● CNNは病変が画面に表示されてから中央値1秒で検出した(範囲:0〜44秒)
CNNが検出できなかった病変は経験豊富な内視鏡医であっても、背景の胃炎と区別することは困難な病変だった。
limitation
今回のパイロットスタディでは、過去に早期胃がんと診断された病変のみを対象とした。今後は,胃全体のマッピングを行い、CNNが胃がんとして検出した箇所の評価も含めて、このシステムを検証していく必要がある。
結語
● CNNは動画と静止画の両方において、胃がんの早期発見に高い感度を示しました。
● CNNを動画にも適用拡大することで、胃がんの早期発見の基準が高まることが期待されます。
本論文はvideo articleとなっており、こちらのリンクから実際の病変の検出についてなど参照することができます。ご興味のある方はぜひご視聴ください。
https://onlinelibrary.wiley.com/page/journal/14431661/den13306-sup-0001-vids1.htm