Article観察・診断特殊型胃癌の一つ、胎児消化管類似癌の特徴とは?内視鏡画像で解説2023/03/31
胎児消化管類似癌は特殊型胃癌の一種で、臨床病理学的には高率でリンパ管侵襲や静脈侵襲、リンパ節転移、肝転移を認める高悪性度な腫瘍です。通常の腺癌と比較して、予後不良な疾患として知られています。
胎児消化管類似癌の早期病変について、上山浩也先生(順天堂医院 消化器内科 准教授)は「内視鏡的に胎児消化管類似癌の質的診断・深達度診断が困難」だと話します。
本記事では、セミナー「特殊型胃癌の内視鏡診断」(2022年9月29日開催)にて、上山先生が解説した胎児消化管類似癌の特徴などについてまとめます。
胎児消化管類似癌とは?
定義と分類
胎児消化管類似癌の定義について、上山先生は次のように説明します。
「組織学的に胎生初期の消化管上皮に類似した組織形態を示し、グリコーゲンに富む淡明な細胞質を有する腫瘍細胞が管状、乳頭状、或いは充実性増殖を示す腺癌になります」
その診断基準については、「胎児消化管上皮マーカーであるAFP、Glypican-3、SALL4のいずれかが病変全体の10%以上が陽性であれば、胎児消化管類似癌と診断されます」と説明。