Article内視鏡AI世界初の胃がん検出AI・鑑別AIの特徴とは?がん研の平澤先生が解説2022/09/07
目次
「胃がんの診断能力を複数の内視鏡医でテストしたところ、医師によって精度がかなりバラつきました。この結果を目にした一般の方は驚いていました。このような医療で良いのかと。でもこれが現実です」。
こう語るのは、がん研究会有明病院(以下、がん研)上部消化管内科 胃担当部長の平澤俊明先生。第94回日本胃癌学会総会(2022年3月2日〜4日開催)で実施されたランチョンセミナーでの発言です。
胃がんを検出・鑑別する難しさについて、平澤先生はこう話します。
「病変の背景に胃炎などがある場合、経験のある内視鏡医であればパッと分かるかもしれませんが、慣れていないと識別が難しいでしょう。50mmほどの胃がんでも容易に見逃されてしまいます」。
がん研究会有明病院の平澤俊明先生
平澤先生は、セミナーの冒頭でクイズを出題。画像”A”と”B”のいずれかに胃がんが写っているといいます。「パッと分かる人は分かりますが、背景に胃炎があるので識別が容易ではないケースです」。
正解は”A”の画像。黄色で示された箇所が胃がんです。
このように診断の難易度が高い症例もある中で、内視鏡医のスキルに依存してしまう従来のやり方では、精度にバラつきが生じてしまいます。
そこで診断精度の均てん化や医師の心理的負荷の軽減などを実現できる手段として、平澤先生は”内視鏡AI”の重要性を強調します。