Column内視鏡AI導入ケースレポート:gastroAI model-EIRL 内視鏡AIは本当に「使える」のか?2026/04/07

〜三田市民病院の実体験に見る、費用対効果と地域連携への波及〜
はじめに
AI技術の医療現場への導入が進む中、内視鏡分野でもその活用に注目が集まっています。「泡や残渣に反応するのではないか?」「導入コストに見合うだけの意味があるのか?」といった疑問を抱く先生もいらっしゃると思います。
今回、兵庫県の三田市民病院で開催された「内視鏡診療・地域連携ミーティング」における内視鏡AI導入のリアルな実体験、経営的視点を含めた費用対効果、そして地域連携におけるシナジーについてご紹介いたします。
| 1. 内視鏡AIのリアル:午後のパフォーマンス低下を防ぎ、教育にも貢献 |
三田市民病院では、医用画像解析ソフトウェア gastroAI model-EIRL(以下、EIRL)を導入しています。導入前は実用性やコストへの不安があったというものの、実際の運用では明確なメリットが確認されています。
実際の臨床現場でも、発見困難な病変の指摘にとどまらず、AIアシスト下でのCSP(コールドスネアポリペクトミー)へのスムーズな移行や、内視鏡教育への応用など、多岐にわたる効果をご紹介いただきました。
■
| 2. 気になる費用対効果:AI導入は「黒字」になる? |
多くの施設で導入を躊躇する「コスト問題」についても、同施設のシミュレーション結果を示していただきました。
EIRL導入前後の2ヶ月間(1部屋あたり)を比較すると、大腸内視鏡検査におけるポリープ切除術の適応率が65%から67%に上昇しました。同等の検査数で換算すると、ポリープ発見件数が約5件程度上振れする計算となります。この処置件数増加に伴う差額(1件あたり約4,000円と試算)と、病変検出支援プログラム加算(K721 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術)の60点を合わせると増収が見込めると報告いただきました。
結果として、「収益がランニングコストを上回る」ことが報告されており、経営的な観点からもAI導入の有用性が裏付けられました。
| 3. 年間7,000件以上の検査を支える「地域連携」の機能分化 |
AI導入による質の向上とともに、同施設が強く抱えているのが地域連携の重要性です。
同施設の2025年の実績は、上部内視鏡4,002件、下部内視鏡3,109件、ESD件数181件です。特筆すべきはESD症例の半数近くにあたる85件(48.3%)が地域の先生方からのご紹介によるものだという点です。一方の検査件数の伸びは内視鏡室のキャパシティの限界に達しつつあります。そのため、入院加療が必要な高度な治療は基幹病院で引き受けつつ、日帰り検査などは地域のクリニックに依頼する割合を増やしていくという、明確な機能分化の方向が示されました。紹介元のクリニックで事前に十分な観察が行われていたため、当院での再精査を経ずに直接処置へ移行できたスムーズな連携事例なども紹介され、質の高い病診連携が地域の消化器診療を根底から支えていることが伺えました。
まとめ
三田市民病院の事例は、内視鏡AIが単なる「見落とし防止ツール」にとどまらず、医師の疲労負担軽減、若手教育、さらには経営的メリットをもたらす強力なサポーターであることを示しています。
地域のクリニックと基幹病院がそれぞれの強みを活かし、そこに最新のテクノロジーが組み合わさることで、より強固で持続可能な医療提供体制が構築できることが伺えました。
本記事は、2026年3月7日に実施した、エリア限定セミナー(三田市民病院・株式会社AIメディカルサービス 共催)にて、三田市民病院 消化器内科 池田敦史 先生のご講演内容をまとめたものです。
使用者の経験に基づく記載であり、当社が有効性及び安全性を保証するものではありません。製品の正しい使用方法は、添付文書をご確認ください。
販売名:医用画像解析ソフトウェア EIRL Colon Polyp
承認番号:30400BZX00259000
製造販売業者:エルピクセル株式会社






