Column内視鏡AI〝経営層の方必見〟内視鏡AI導入による「健診価値最大化」と「収益構造改革」の全貌2026/03/24

〝経営層の方必見〟内視鏡AI導入による「健診価値最大化」と「収益構造改革」の全貌

― つくばトータルヘルスプラザ様に学ぶ、健診経営戦略と胃カメラ年間約1,000件増の舞台裏 ―

「AIを導入しても、受診者にはその価値が伝わりにくい」
「価格を上げたら、胃カメラの受診者が減ってしまうのではないか」

そんな不安を払拭し、年間1,000件近くの胃カメラ検査数増加と、変更オプション差額単価の見直しを実現した、つくばトータルヘルスプラザ 施設長の池澤和人 先生にその戦略と戦術を伺いましたので、ご紹介いたします。

向上の鍵は、「受診者満足」「医師の働き方」「戦略的価格設定」の3軸の連動

発展へ導く3つのゲームチェンジ


1.「目に見えない精度」を「体感できる満足」で包む

内視鏡AIによる診断精度向上は素晴らしい価値ですが、受診者には伝わりにくいのが現実です。そこで同施設では「AI(gastroAI)」×「炭酸ガス送気システム」のダブル導入に踏み切りました。人間ドックでは、受診後のお食事を楽しみにされていらっしゃる方が多く、お腹の張りなどでせっかくのランチを台無しにしてほしくないという思いが、以前からありました。そこで、次回もまた内視鏡で検査を受けたいと選択していただけるよう、炭酸ガス送気システムを導入しました。
内視鏡AIと炭酸ガス送気システムを組み合わせることで、受診者に内視鏡AI支援による検出サポートばかりでなく、検査後の腹部膨満感の軽減も実現した胃カメラ検査をご提供したのです。(下は内視鏡待合室に掲示されている案内)


2. 「選択と集中」で内視鏡特化型へ

内視鏡検査という専門性を施設経営の柱と位置づけました。設備投資に加え、限られる医師業務の最適化を図り、いちはやくリソースの再配分に着手しました。具体的には、収益性に乏しい業務や専門性が必須ではない業務を削減・圧縮、もしくは再構築することで、内視鏡検査を施行できるスキルを持つ医師を内視鏡業務へ集中させました。
当施設は内視鏡検査室がわずか2ブースにも関わらず、検査枠の拡大により、2025年度検査数は前年度比1,000件近くの増加を達成できる見込みです。さらに、内視鏡AIによる病変検出支援により、検査フローの効率化に寄与しています。


(医療法人社団筑波記念会年報 各年度年報より|2025年度は仮集計)

3.「投資が先、回収は後」を念頭に、戦略的な2段階プライシング

内視鏡AIや炭酸ガス送気など、新たに導入したからすぐに値上げではなく、あえて1年間は据え置き価格でファン(リピーター)の醸成を図りました。当施設はコロナ禍であっても検査数が落ち込まなかったように、提供する健診にご満足いただき、リピーターとして再度お越しになる方が多いと実感しています。

ホスピタリティを維持しつつ、据え置き価格(変更差額4,400円)のまま、AIによる病変検出支援と炭酸ガス送気の快適性をまずはご体感いただき、その価値を浸透させました。
2026年度からは、満を持して胃カメラ検査への変更差額を7,150円に改定しています。価格設定は、エリア内の近隣他施設の価格、施設特徴、立地や体制などの徹底的な市場調査に基づき、内視鏡AI導入という付加価値を根拠に、この価格改定に踏み切りました。

健康保険組合との交渉

事前の接触として、施設長就任のタイミングや年末のカレンダー配布の時期などの節目に、内視鏡AI導入と炭酸ガス送気導入のポスターを持参し「県内で先駆けて内視鏡AIを導入」「快適性を目指す付加価値をご提供」というポジションを印象づけました。
このような事前策が功を奏し、価格改定の打診に際して、健康保険組合から大きな反対はありませんでした。なお、胃カメラ変更の差額は個人負担のオプションとなるケースが多く、組合側の負担増には直結しないことも、円滑な交渉を後押ししました。

検査の質の標準化としてAIに期待


人間ドックの受診者は基本的に無症状であることから、年間約5,000件の内視鏡検査のうち、早期がんが見つかるのはわずか数名程度です。受診者の大半が正常であるという環境下であっても、がんの見落としは決してあってはならない——それが私の変わらぬ信念です。
当施設における過去10年間の胃カメラ検査の要精査率(要精密検査となる割合)は平均で3.3%でした。これは、日本人間ドック予防医療学会が報告している全国データ(約93万例)の要精査率4%と比較しても遜色ない数字です。しかし、「3.3%という数字が適正であればよいが、全国平均と比べてわずかに低いことで、万が一見逃しが発生していないか」という不安を完全に払拭したいと考えていました。
そこで、施設内の診断水準を一定に保つ補助ツールとして内視鏡AIを活用できると考え、導入に踏み切りました。

単なる病気の早期発見にとどまらず、一人ひとりが心身ともに健やかに輝ける人生を支えること。筑波記念会の理念「誠意を以って最善をつくす」を礎に、地域の皆さまが長く安心して通い続けられる施設であるために、新しい挑戦を止めるつもりはありません。


つくばトータルヘルスプラザ 施設のご案内

「つくばトータルヘルスプラザ」は、筑波記念病院に併設された、地域住民の健康維持と病気の早期発見を総合的にサポートする予防医療・健康増進施設です。質の高い人間ドックや健康診断に加え、医療機関併設ならではの安心感のあるメディカルフィットネス施設「フェニックス」も備え、地域住民の皆さまの健やかな毎日をトータルでバックアップしています。

<主な特徴>

  • 信頼と実績の充実した健診体制

日帰り人間ドックをはじめ、脳ドック、レディースドック、生活習慣病予防健診、企業向けの巡回健診など、多様なニーズにお応えする健診メニューを用意。年間6万人以上の方にご利用いただいており、日本総合健診医学会認定優良総合健診施設や人間ドック健診機能評価認定施設など、数多くの公的認定を受けた高い水準の検査体制を整えられています。

  • 専門医による精度の高い検査と最新の取り組み

消化器内科、婦人科、脳神経外科、放射線科など、各領域の専門医が多数在籍し、精度の高い診断を行なっています。特にニーズの高まっている胃内視鏡検査については検査枠を拡大し、より多くの方にスムーズに受診いただけるよう努められています。さらには、睡眠検査や遺伝学的検査といった先駆的なオプション検査も導入し、受診者の満足度向上を常に追求されています。

<施設概要>

施設長:池澤和人 先生
所在地:茨城県つくば市要1187-299(筑波記念病院敷地内)


ご導入いただいた医療機器の紹介

gastroAI model-G2
画像上早期胃がん及び腺腫など腫瘍性病変を疑う領域をリアルタイムで検出、医師の病変確認を支援します*。

販売名:内視鏡画像診断支援ソフトウェア gastroAI
承認番号:30600BZX00266000
製造販売業者:株式会社AIメディカルサービス
*本品は、内視鏡検査機器から受信した胃内視鏡画像を解析し、画像上早期胃がん及び腺腫を疑う領域を検出し、本製品用モニターに投影した胃内視鏡画像に矩形として表示するとともに音によって観察者に通知することで、医師による病変の検出を支援します。ご使用に関しては、製品添付の取扱説明書をお読みください。