Column内視鏡AI好酸球性食道炎の診断基準と内視鏡所見、AIの有用性も解説2022/09/07

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「好酸球性食道炎の有病率は、欧米での増加が報告されておりますが、本邦でも急激な増加傾向にあります」
こう語るのは、島根大学医学部附属病院 消化器内科 助教の沖本英子先生。沖本先生は、第117回日本消化器病学会中国支部例会 エキスパートセミナーにおいて、“AIを用いた好酸球性食道炎の内視鏡診断”をテーマに発表しました。沖本先生は、好酸球性食道炎の内視鏡診断に対するAIを開発し、診断能を評価する研究を行っています。
好酸球性食道炎(Eosinophilic Esophagitis; EoE)は好酸球性胃腸炎(Eosinophilic Gastroenteritis; EGE)と合わせて好酸球性消化管疾患と総称されています。消化管局所への好酸球の異常な集積によって好酸球性炎症を生じ、消化管組織が障害され、機能不全を起こす疾患で、難病に指定(指定難病98)されています。
「最近では、健診施設の内視鏡検査で250~300例に1例の頻度で診断されるという報告もあります。また、当院においてもEGEに比べ、EoEと診断される頻度が増えております」。
沖本先生が話すように有病率が増加する一方で、EoEの発見は容易ではないため、AIの活用が期待される分野でもあります。本講演では、EoEの内視鏡所見や診断基準、診断におけるAIの有用性について、沖本先生が解説しました。
好酸球性食道炎の特徴的所見や診断プロセスとは
沖本先生は、まずEoEの診断基準について説明。
「EoEの診断は、臨床診断と病理診断を基に行われます。食事のつかえ感や嚥下困難等、食道機能障害に起因する症状が慢性的に持続する際はEoEを想起します。さらに食道粘膜を生検した結果、上皮内に好酸球数15以上/HPFが存在する場合に診断されます」。









